【漫画感想】砂漠の宝石のような一編:岩本ナオ「金の国水の国」
待ってて良かった!2年半ぶり岩本先生の新刊!!Kindle化すると同時に光の速さで購入!(ポチィー)
ページを捲る手ももどかしく、一瞬で読了。
いやー、いい作品だった!!良質な映画を観たような満足感とじんわりした感動。うん、派手に号泣する感動じゃなく「じんわり」なのがミソ。
読み終わって浮かんだコピーは「大人の児童文学」
少女漫画だけどキラキラしてない絵柄なので男性でも読みやすいと思う。
あらすじ(Amazonより)
岩本ナオが贈る、おとぎ嫁婿ものがたり
昔々、隣り合う仲の悪い国がありました。 毎日毎日、つまらないことでいがみ合い、 とうとう犬のうんこの片づけの件で戦争になってしまい 慌てて仲裁に入った神様は2つの国の族長に言いました。
A国は国で一番美しい娘をB国に嫁にやり B国は国で一番賢い若者をA国に婿にやりなさい―――
そんな中、A国の姫・サーラはB国の青年と偶然出会い…!?
前作「町でうわさの天狗の子」は学園ファンタジーだったけど、今回の舞台は異国。
架空の国なんだけど、どこかリアルで歴史物のようでもあり。
もうね、A国とかB国の衣装やアラビアのような風景、敷物など小物に至るまでほんと絵本のよう。うっとりです。全ページカラーで読みたい。むしろここに住みたい!
全キャラ推しです
岩本作品らしくどのキャラも丁寧に描かれて、嫌いなキャラがいない。
一見悪者に見える人物も愛嬌があって憎めない。テンプレの悪役ではなく、ちゃんと血の通った人間な感じ。
もちろん主人公であるサーラとナランバヤルも魅力的!
サーラは一見ふわふわしてて頼りなさげだけど、芯が強い子。ふくよかぽっちゃりで美人ではない、と書かれてるけど可愛いぞ。ほっぺぷにぷにしたい!雨無村役場産業課兼観光係のメグ思い出す。あっちは男前なキャラだけど。
ナランバヤルも口調が軽くてチャラく見えるけどデキる男。口が上手い、って自分で言ってるけど人を動かす力があるのはそれが表面上の嘘ではないから。ナランバヤルの父上もしかり。
あとサーラのばあやがツンデレ可愛い。ご飯美味しそう。食べたい。
ライララも好き。ムーンライトさん、ただのイケメン左大臣かと思ったら全然違うやり手だし。
みんないい意味で裏切ってくれる。
「QPS48」「ここは新日プロレス会場でたっけ…」など随所にちりばめられた小ネタにもクスリ。
1巻完結でこれ以上ないってくらい綺麗に終わってるんだけど、続編やスピンオフ来ないかなぁ。ムーンライトがA国に来るまでの冒険とか!
試し読み発見。↓13P目のナランバヤルの一目惚れ?した「ぶわっ」て感じの顔がほんと好き。
両国(国技館ではない)の策略とか思惑とかを飛び越えて、家族(動物含む)と国のために奮闘する人々が愛おしい作品。
恋愛要素そんなにないけど、だからこそ2人のシーンにキュンとする。
久しぶりに何度も読み返したい漫画です。おすすめ。
漫画感想って伝えるの難しい~。
今日はここまで!チャオ!